検認手続き•自筆証書遺言

検認手続き

遺言を自筆証書遺言でした場合、相続開始後に相続人は(遺言執行者がいるときは遺言執行者が)その遺言書の検認手続きを踏むことになります。

具体的には、法定相続人がその遺言書を家庭裁判所に提出します。その後裁判所からの通知を待ちます。通常は数週間で相続人全員に検認期日通知書が届きます。

申し立て人は、検認の日に必ず出席しなければなりませんが、その他の相続人は必ずしもそうではありません。申し立て人及び出席相続人そして裁判所職員の立ち会いもとで開封します。

ただ、この手続きは、遺言の内容を検査して、その有効無効を判断するものではありません。遺言の形状•加除訂正•日付け•署名など検認の日における現状を明確にして、その後の偽造•変造などの不正な行為を防止し、また遺言書の内容や存在を相続人に知らせることが検認手続きの目的です。

ですので、この検認手続きを踏まなかった場合でも、遺言が無効になることはありません。ただ、検認手続きを踏まないで遺言を執行すると、五万円以下の過料(罰金ではないがお金を支払う)を負うことになりますし、その後の金融機関や登記手続きの際にも支障が出て、相続手続きがスムーズに運ばなくなるということにもなってきますので、検認手続きは必ずやっておくぺきでしょうね。

自筆証書遺言の保管制度

以上の例外になりますが、法務局が自筆証書遺言を預かってくれる自筆証書遺言の保管制度が令和2年より始まっています。この制度を利用して遺言書情報証明書を取得している場合には、以上の検認手続きは不要となります。また、遺言を公正証書で作成しておいた場合もこの検認手続きは必要ありません。

いずれにしても、相続手続きは煩雑で用意するものも多く、その準備にも多くの時間もかかります。また、期間の制限があるものもあるので要注意です。

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